📖 用語集 (電子工作が初めての人向け)
作業ページに出てくる言葉を全部まとめました。太字の点線が付いた言葉は、作業ページ上でも触れると説明が出ます。
サーボ (サーボモーター)
「何度の位置へ回れ」と指示すると、その角度まで回って止まるモーター。中に歯車と位置センサーと制御回路が入っている。線は 3 本 (電源+, GND, 信号)。
ホーン
サーボの出力軸に付ける腕 (アーム) 状の部品。ここに部品をねじ止めして動かす。中心のビス 1 本と、腕の穴に通す小ねじで固定する。
中立 (1500µs)
サーボの可動範囲のちょうど真ん中の位置。信号のパルス幅が 1500 マイクロ秒のときこの位置になる。組立ではまずサーボをこの位置にしてから部品を付ける。
PWM (パルス幅)
サーボへの命令は「一定間隔で送る短い電気パルスの長さ」で伝える。500µs で片端、1500µs で真ん中、2500µs で反対の端。
PCA9685
16 個のサーボ信号を同時に出せる基板。ESP32 からは I2C という 2 本線で命令を受け取る。このプロジェクトでは 2 枚 (board0: 脚+頭, board1: 腕+目) 使う。
I2C (アイ・スクエアド・シー)
SDA (データ) と SCL (クロック) の 2 本線で複数の基板をつなぐ通信方式。同じ線に複数の基板をぶら下げ、各基板の「アドレス」で呼び分ける。
I2C アドレス / A0 ジャンパ
I2C で基板を呼び分ける番号。PCA9685 は標準で 0x40。基板上の A0 というパッドをハンダで橋渡し (ブリッジ) すると 0x41 になる。2 枚使うときは必ず片方だけ A0 を閉じる。
ESP32 (DevKitC)
このロボットの頭脳になる小さなコンピュータ基板。Wi-Fi 内蔵。USB でパソコンとつなぎ、プログラム (ファームウェア) を書き込む。
ファームウェア / 書き込み
ESP32 の中で動くプログラムのこと。パソコンから USB 経由で転送することを「書き込み」や「フラッシュ」と呼ぶ。
PlatformIO (pio)
ファームウェアをビルド (コンパイル) して書き込むためのツール。ターミナルで pio run と打つと使える。
CALIBRATION_MODE
ファームウェアの「全サーボを 1500µs (中立) に固定するだけ」の特別モード。組立中はこのモードで書き込んでおく。歩かせるときは通常モードに戻す。
シリアルモニタ
ESP32 が USB 越しに吐き出す文字ログをパソコンで眺める画面。起動メッセージやエラーはここに出る。速度は 115200。
UBEC
バッテリーの電圧 (7.4V) をサーボ用の 6V に落とす大電流の電源モジュール。ここでは 10A 級を使う。
DC-DC コンバータ (5V/3A)
電圧を変換する小さな基板。ESP32・LED・音声など「ロジック系」用の 5V を作る。サーボ用とは別系統にする。
2S LiPo (リポバッテリー)
リチウムポリマー電池を 2 個直列 (2S) にしたもの。満充電 8.4V、通常 7.4V。ショートと過放電に注意。作業中は必ずスイッチを切る。
XT60 コネクタ
ラジコン用の黄色い電源コネクタ。極性 (+/−) が逆に刺さらない形になっている。
ヒューズ
決めた電流 (ここでは 15A) 以上が流れると切れて回路を守る部品。バッテリーの直後に入れる。
電解コンデンサ
電気を一時的にためる部品。サーボが一斉に動くときの瞬間的な電圧低下を抑える。極性あり (長い足が +、白帯側が −)。
AWG (線の太さ)
電線の太さの規格。数字が小さいほど太い。AWG16 = 太い幹線 (サーボ電源)、AWG20 = 分岐、AWG26〜30 = 信号線。
GND (グランド) 共通
電気の「基準の 0V」。サーボ系・ロジック系など電源が複数あっても、GND は必ず全部つなぐ。つながっていないと信号が伝わらない。
タッピングねじ
相手にねじ山が無くても、ねじ込みながら自分でねじ山を作るねじ。3D プリント部品の下穴に直接締める。締めすぎると穴が壊れるので「止まったら終わり」。
共締め (ともじめ)
2 つ以上の部品を 1 本のねじで一緒に締めること。ここではホーンと骨格部品を一緒に締める。
現物合わせ
図面通りにならない場所を、実物を当てながら位置を決めて仕上げること。少し削る・少し寄せるのは想定内。
スタンドオフ
基板を浮かせて重ねるための六角の柱。片側がオスねじ、反対側がメスねじ (M-F)。
I2S (アイ・ツー・エス)
デジタル音声を送る 3〜4 本線の規格。マイク (INMP441) とアンプ (MAX98357A) が使う。I2C とは別物。
INMP441
小さなデジタルマイク基板。砲身の中に入れる。L/R ピンは GND につなぐ。
MAX98357A
デジタル音声をスピーカーで鳴らす小型アンプ基板。頭部側に置き、スピーカー線だけ砲身へ伸ばす。
WS2812B (NeoPixel)
1 本の信号線で数珠つなぎに制御できるフルカラー LED。順番 (index) が決まっている。
74AHCT125 (レベルシフタ)
ESP32 の 3.3V 信号を LED 用の 5V 信号に変換する IC。直結すると LED が誤動作することがある。
DFPlayer Mini
microSD の MP3 を再生する小さな基板。効果音用。TX 線には 1kΩ の抵抗を直列に入れる。
mDNS (tachikoma.local)
IP アドレスの代わりに「tachikoma.local」という名前で ESP32 にアクセスできる仕組み。効かない環境では IP を直接打つ。
AP / STA
AP = ESP32 自身が Wi-Fi の親機になるモード (SSID "Tachikoma")。STA = ESP32 が iPhone テザリングなどに子機として参加するモード。両方同時に動く。
Web UI
スマホのブラウザで http://192.168.4.1/ を開くと出てくる操作画面。歩行・腕・目・トリム調整・Wi-Fi 設定ができる。
トリム
サーボの「真ん中」の微調整値。組立でホーンの位相が数度ずれても、Web UI のトリムで吸収できる (±200µs ≈ ±18°)。
ヨー / ピッチ / 膝
脚の 3 関節。ヨー = 脚を水平に振る (股の回転)、ピッチ = 脚を前後に振る (股の上下)、膝 = 脛を曲げる。
coxa / femur / tibia
脚の骨格部品の名前 (昆虫の脚から命名)。coxa = 股ブラケット、femur = 太もも、tibia = 脛。
ミラー版パーツ (_m / _L)
左右対称に作った鏡像パーツ。脚は FR と RL がミラー版 (_m)、腕は左腕が _L。取り違えると組めないか干渉する。
TPU / PETG / PLA
フィラメントの種類。TPU = ゴムのように柔らかい (足裏パッド)、PETG = 粘り強い (骨格)、PLA = 硬くて印刷しやすい (意匠)。
圧入 (あつにゅう)
穴より少しだけ大きい部品を押し込んで固定すること。入らないときは無理せず少し削る。
バイス (万力)
部品を挟んで机に固定する工具。ベンチ試験で脚の根元を固定するのに使う。
スイープ動作
サーボを端から端までゆっくり往復させること。ぶつかる場所やガタが無いかを見る。
スプライン (軸のギザギザ)
サーボ軸の細かい溝。ホーンはこの溝に合わせて何通りかの角度で刺せる。「位相を選ぶ」= 一番具合の良い溝位置を選ぶこと。
FPC (フレキ)
ペラペラの薄いフィルム配線。カメラモジュールのレンズ基板と本体基板をつなぐ。折り曲げ過ぎ厳禁。
ホットボンド / 瞬間接着剤 / エポキシ
ホットボンド = 熱で溶かす接着剤、後で剥がせる。瞬間接着剤 = すぐ付く、はみ出し注意。エポキシ = 2 液混合、強力で硬化に時間がかかる。
ソフトスタート
電源投入直後にサーボがいきなり動かないよう、ゆっくり目標位置へ持っていくファームウェアの機能。
低電圧カット
バッテリー電圧が 6.4V を 3 秒下回るとサーボを脱力させて電池を守る安全機能。6.8V で警告。